電話を切って、自宅に向かう。


会社からは、そう遠くはない。


自宅に入ると、ソファーに横になってうずくまってる晴香…


「出血ひどいの!?車で行けるかい?」


「大丈夫…車で行ける」


晴香を車にシートを倒して寝かせると、憲吾は病院に急いだ。


「憲吾…ごめんね。赤ちゃんきっとダメだね…本当にごめんなさい」


「どうして晴香が謝るの?晴香のせいじゃないよ…タイミングが悪かったんだよ。それに、まだわからないじゃないか…最後まで諦めないでいよう」


「でも…きっともうダメ…私わかるもん…」


病院に着くとすぐ、急患ということで診察を受けた。


憲吾が呼ばれる…


「今回は残念ですが、流産ですね。赤ちゃんも、お母さんも本当に頑張ったのですが…」


「妻は大丈夫ですか?」


「これから処置して、1日こちらで入院しましょう。体力も消耗しているので…点滴して。ご主人に言っておきますが、今後妊娠するのは今の状況だと難しいかもしれません。それだけは…」


「わかりました。ありがとうございます。妻には言わないでください。ショック受けたら困るので…」