「晴香行ってくるよ。おかゆとスープ作ってあるからね。冷蔵庫にはゼリーとかも入ってるから、食べられるようになったら少しでも食べるんだよ」


「ごめんね…ありがとう。憲吾ママによろしく伝えてね」


「何かあったら携帯に電話するんだよ」


「うん…」


「ママ…いってきます」


「いってらっしゃい~」


静まりかえった部屋の中で、晴香は祐輝のことを考えていた。


あれから祐輝は…祐輝の奥さんはどうしただろうか?


憲吾は何も言ってはこないが、多分何かを知っているのだろう。


聞いてどうしようもないことはわかっている。


離婚前の約束に、憲吾に二人を頼むと言って、世利にも父親と名乗らないと別れた祐輝…


幸せなら気にならなかったはず…


ただ、あまりにも祐輝の選択した道が、辛いことになってはいないかと心配になる。