「すまないな憲吾君、おふくろ、相変わらずって感じで…」


「祐輝さん、一つ聞いておきたいことがあるんです。祐輝さんのお子さん2人は、世利にとって、母親違いの兄妹になる…晴香とも話したんですが、世利に本当のことを言おうかって…」


「ダメだ!憲吾君、それはやめてくれ…世利を傷つけてしまう。君達のもとで幸せに暮らしているのに、事実を知ったら、世利が苦しむ…それだけはやめてほしい…」


「そうですか…」


「お話は終わった?さぁ憲吾さん、晴香ちゃんと世利ちゃんに会わせてちょうだい」


憲吾は先に歩き、ロビーに向かった。


晴香は皆が歩いてくるのがわかり、立ち上がると、頭を下げた。


世利も続いて立ち上がり、頭を下げる。


「晴香ちゃん、来てくれたんだね。ありがとう…世利ちゃん!あんなに小さかったのに、大きくなったね~お母さんそっくりだ!」