ミーン、ミーン……



蝉の鳴き声が耳に木霊する。


ミーン、ミーン、わぁぁ!


ミーン、ミーン、ミーン、ぎゃ!




「おい。」

ナイトが煙草を地面にねじりこみながら言う。


「なんです?」


その煙草を青年が拾いながら返事をする。

「さっきから叫び声が聞こえるんだが。」


「叫び声?」

青年が首を傾げた背後で、


どさっ!!



何かが落ちて来た。


「うわぁ!!」


「やっと来たな。」



コスモスの花びらがそこら中に舞い、落ちて来た何かに降り注ぐ。


「おぉ!ほんとだ!落ちて来ましたよ!!」


青年が嬉しそうに何かを覗き込む。


「んだよ。餓鬼じゃねぇか。」

ナイトが顔を歪めながら言う。

落ちてきた何かは青年で、目に涙を浮かべている。


「そう言うナイトも見た目は子どもですよ?」


「うっせぇ。」


「ぎゃぁぁあ!!?」


青年が喚き散らす。


「うるせぇぇ!!」


ナイトが青年の胸ぐらを掴み、立ち上がらせる。