ワイン恋物語

根本さんは目を伏せると、
「無理は、よくないよ…」

呟くように言った。

「無理なんて、してません…」

わたしは首を横に振った。

「俺たち、つきあっていないんだよ?

つきあってない男女がこんなことを…」

「…その優しさは同情ですか?」

わたし、今ひどいことを言った。

ひどいことを言って、根本さんを傷つけようとしてる。

「同情なんか、しないでください…」

パサッと、根本さんがバスタオルを落とした。