「あれ?」

その声に視線を向けると、1人の女性が遠くからわたしを見ていた。

一体何かしら?

わたしは特に気にする訳もなく、足を動かそうとした。

「つぐみ?

つぐみじゃないの!?」

パタパタと、ヒールの音がわたしに向かって近づいてきた。

えっ、誰なの?

ショートカットの女性がわたしの前にいた。

誰、この人?

彼女に全くと言っていいほど見覚えがない。

「ほら、覚えてる?

私、高校の同級生の」

彼女が説明するけど、わたしにわかる訳がない。