わたしは、どっちなんだろうか?

人魚姫?

それとも、彼女から王子様を奪ったお姫様?

わたしは一体、どっちの立場だったのだろう?


目を開けると、茶色い天井が視界に入った。

「あ、つー!」

その声に視線を向けると、根本さんがいた。

わたし、一体どうしたの…?

チラチラと目玉を動かして、自分が今いる場所を確かめた。

ワイン倉庫だった。

そうだ。

わたしは根本さんに連れられてここへきて、それから…。

思い出したとたん、わたしはガバッと躰を起こした。