指、キレイだな。

細いのに骨張っている。

爪は丸く、丁寧にカットされている。

子供のような小さな指の私とは大違いだ。

そう思っていたら、
「つー、聞いてた?」

また根本さんに聞かれた。

「えっ…あっ、はい、聞いていました」

「じゃあ、今言ったことは?」

「えっ…」

そう聞いてきた根本さんに、わたしは思わず目を伏せた。

しまった、聞いていなかったことがバレた。

「すみません…」

思わず謝ったわたしに、
「ちょっと休憩しようか?」

根本さんが言った。