それだけ言って、
屋上から出ていく麗。





ギイィ…




扉の閉まる音と同時に
力をなくした俺の脚は
ガタッと音をたてて
コンクリートに膝をつく。



今までこんな恐怖を
感じたことはなかった。


喧嘩なら
数えきれないほどしてきた。


…でも、初めて。


初めて感じる、

戦わなくても分かる。


"負ける"と。



俺がどうもがいたって
勝てる相手じゃない。