「…総長っ!
嘘ですよね?
嘘って言ってください!」
ひとりの下っ端が
泣きながらそう叫ぶ。
すると
「俺たちのこと1番に
考えてくれたじゃないですかっ!」
「俺たちを仲間だって
守ってくれたのは総長っす!」
と、さっきまで
静かだった下っ端たちが
次々と俺に言葉を向ける。
その言葉たちに
涙が零れそうなのを
必死で我慢し、
「…うっせえ!!!
俺はそんな人間じゃねえよ!
鬼神組に入るために、
黒龍を結成して
黒龍の総長になって
黒龍を全国№1にしたんだよ!
お前らを利用してたんだよ。
総長、総長うっせえ!
そろそろ
騙してたこと気づけよ!」
大声でそう叫んだ俺を
尊敬の目で見てるやつは…
…もう居なかった。

