そう、 付き合うときに 俺が言った言葉。 黒龍は海を守る存在。 それはつまり 海に住む魚たちを守る、 ということだ。 俺はあの日、 楓を守ると決めた。 楓は覚えてるのかな。 そんなことを考えていたが、 楓を見ると、 薄らと赤くなっている。 そんな楓を見て、 心配していたことが 馬鹿らしく思えてくる。 「ちゃんと着けろよ」 そう言って、 会計を済ませた 魚のピアスを楓に渡すと 「…ありがとう」 大事そうに 両手で受け取ってくれた。