3人が見えなくなると、


何年か前のように
楓の手を取り、

俺のポケットへ。





そんな俺を見て、
嬉しそうに笑う楓。






「じゃ、
 とりあえず映画な」


前にテレビを観ていたとき、

"これ面白そう"

と言っていたのを思い出した俺。





映画館に着き、
チケットを頼むと




「…これ、

 何で分かったの?」



と、びっくりされる。




「何年一緒に居ると思ってんの」




そう言って、
また楓の手を取ると


今度は

「…ありがとう」


と小さく呟いた。