それでも、
話を聞かないと
何も解決しないので

意を決して



「恭介、

 今のが
 お前のお母さんなのか」



優しく、頭を撫でながら聞く。




すると恭介は顔を上げ、



「…そうだよ」



と、呟く。





「隣の人はお父さんか」



今度は、首を横に振るだけ。



…やっぱり、父親ではないらしい。






「……その痣は、

 誰にやられたんだ」


俺が聞いた瞬間、

ビクッと固まる恭介。




それでも俺は、



「俺は誰にも言わない。

 恭介の味方だぞ」


優しく笑う。