「俺は…


 嬉しかったよ。






 俺と楓の子供ができたんだ」






そう言うと、

今まで見たことないくらい
大きく目を見開き
こちらを向いた楓。



そのまま、
細くて白い。

今にも折れてしまいそうな
綺麗な手で顔を覆う。




「…私っ、


 この子を産みたいっ…。



 ひとりでも構わない。

 この子が居れば
 ひとりじゃないからっ。



 


 …あなたの子供だからっ」







優しく楓を抱きしめる。