夏休みもあっとゆー間に終わった。
それでも私的には何も変わらない毎日だった。
学校、部活、家…その繰り返し。
この時期は秋の試合に向けて、練習試合をよくやっていた。
その帰りにいつも1年だけでご飯会をした。
いつもと同じ光景なのに、この日は心が揺れていた。
私のななめ前に座る、石山桂。
建築科で背が高く、やせ型。ちょっぴり出っ歯だけど髪もサラサラ☆
ふいに見ると、必ずといっていーほど目があった。
私が軽く微笑むと、桂も微笑んだ。
心のスイッチが入ってしまった。
それから私は桂を意識しはじめた。
部活中でも桂だけを目で追う。
ヒマがあれば会話に参加したり、桂の目にとまるよーに何気に頑張った。
3週間くらいカナ。そろそろ学校祭の時期になってきた時にベルに着信。
「ブカツノアトハナシガアル ケイ」
!!?
「由美!梨英!桂から!」クラス中に響くぐらい大声をあげた。
まさか桂から着信があるとは夢にも思わなかったから。
「何!?なんて?……やったじゃん!絶対告られるって!」
「そんなわけないじゃん!学校祭のコトかなんかだヨ。きっと。」
私は半信半疑だった。
そもそもなんで桂がベル番知ってたんだろ。
うれしすぎて逆に一つ一つのコトが不安になっていた。

部活に全然身が入らない。
桂ばっかり目で追って帰りの時間をまだかまだかと待っていた。
「お疲れ様でしたぁ!」
終わったぁ!
他の部員の目もあるし、私は急いで自転車置場に向かった。
暗がりに桂の姿があった。
「…おつかれ。」
私は一言ゆーのが精一杯だった。
「ベル番、綾乃さんに聞いた。」
「そっか…。ちょっとびっくりしたけど…。」
…………。
…………。
どれだけ沈黙が続いただろう。桂が先に口をひらいた。
「あのさぁ、俺と付き合って。」
いきなり!?
「う…うん。いーヨ☆よろしくお願いします…。」
「あ…お願いします。」
恥ずかしくて、うれしくて変にかしこまってた二人。
その時、遠目だったけど、馬庭先輩の姿が見えた。
私は急いで隠れた。
とっさにとった行動の意味が理解できない自分がいた。