3年生最後の試合の日がやってきた。
スコアブックを広げ、コートを見渡した。
馬庭先輩はもちろんスタメン。ユニフォーム姿がまぶしくて思わずみとれてしまった。
「ちゃんとやってヨ!」
あゆさんに怒られちゃった。スイマセン。。。
試合開始のホイッスルと共に馬庭先輩は速攻した。そして3ポイントを決めた。
ヤバイ。かっこいい。
途中先輩はケガをして一旦ベンチに下げられた。
手当てをしてる時に私は思わず目がいってしまった。
先輩のユニフォームの下からチラリと見える脇腹に。
「ギュッて抱き締められたら、どんな感じなんだろー…。」
頭がおかしーと言われればそーかもしれないけど素直にそう思った。
結果はあとちょっとのところで負けてしまった。みんな暗い表情で家路を急ぐ中、追い討ちをかけるよーにあゆさんがいった。
「馬庭君、彼女いるヨ。私と同じクラスのコ。」
あまりのショックさに言葉も出ず、私は周りの空気以上にどんよりとしたオーラを漂わせながら帰宅した。
でも私は先輩のコトしかかんがえられなかった。
その彼女が先輩の全てを独占してるのが、くやしくてたまらなかった。
私の知らない先輩の顔を彼女は知っている。
くやしい。たまらない。奪いたい。
部活の時間の前や休み時間はよく二人の姿をみかけた。
「あの二人よく見るネ。やよ…。大丈夫?」
「…うん!平気!おにあいじゃん。」
私の方がスタイルも顔もいーじゃん。なんであの人なのかわからない。
先輩の彼女に対するやさしげな笑顔を見ると苦しかった。