私はこの前の出来事をずっくんにはずっと黙っていた。
別に言わなくても大丈夫って自信があった。
ずっくんは私のコトが好き、ずっくんから告ってきたんだし…変な自信だけど。
ずっくんと付き合い始めて1ヶ月すぎたけど、浜田先輩との電話も切れてないし、安心してる部分があったと思う。
ずっくんは桂とは違う。
私は絶対捨てられない。


いつものよーに放課後由美と梨英と一緒にゲーセンにきてた時だった。
ふと外に目がいった。
ちょーどずっくんと豊田君が自転車で通っていた。
急いで外に飛び出して手をふったら、豊田君だけ返してくれた。
ずっくんの様子が変。
振り返ってもくれず完全無視で素通り。
見兼ねて豊田君が気を使ってずっくんに声かけてくれたけど、それでもダメだった。
梨英がカナリ泣きそーになりながらケータイを貸してくれて、ずっくんに電話した。
「もしもし?なんでシカトして行っちゃったの?」
「………あのさぁ、俺たち別れない?」
え?どーゆーコト?
突然すぎて頭が追いつかない。
「え…なんで?意味わかんない。」
桂の二の舞にはなりたくない。
「…別に理由はないヨ。…友達に戻りたいと思ったからさ!」
「じゃあ、たまには遊びに行ってもいー?」
なんとかつなぎ止めたかった。
「それはムリ。…ゴメンネ。ありがとネ!楽しかったヨ。」
ずっくんの最後のやさしい言葉を聞いた瞬間、我慢してたものが、一気に溢れ出した。
「…………やだぁ………ぐすっ…でも、ファーストキスの相手がずっくんでよかった…。私の方こそありがとー…。」
言葉に詰まりながら気持ちが言えた。
こんなに好きだったんだ。
もっと大事にしてれば違った結末だったかもしれない。
でも理由が浮かばない。
私に落ち度があったとは思えない。
電話を切った後、梨英や由美から問い詰められたけど、答えられなかった。
唯一ケンカしたコトといえば、私がケータイを持ってなくて連絡がつきにくかったコトとお互いの家が離れてるコト。
でもこんなちっぽけな理由なわけがない。
浜田先輩と電話してるコトも知らないし、映画行ったコトもバレてないはず。
この2つは証拠もないしネ。