「あのさぁ、話があるんだけど…。」
なに!?なに?!
なんなの?!
見たコトない表情で私を見つめる先輩。
ドキドキしちゃう。
こんなに見つめられたコトないし!
「なんですかぁ?」
一生懸命、平静を装った。
「俺と…付き合ってくれん?」
えーーー!!!
私、告られた~?!!
マジですかぁ!!
心の中でカナリ戸惑いながら、なんとか声を出した。
「気持ちはウレシーんですけど、好きな人いるし、先輩は友達以上には見れないです…。」
緊張しながら言えた。
先輩は気まずそーな顔をしながら納得して帰っていった。
ごめんなさい。先輩。

その日は先輩からの電話はなかった。

翌日、綾乃さんに報告した。
「やっぱり告られた?なんかそんな気がしたんだよネ。」
「え!?知ってたんですか!?」
「夏休みぐらいにあゆさんから何気に紹介されてたヨ。秀宏もマジになったんだネ。桂のコトも、もちろん馬庭先輩のコトも知ってるヨ。」
桂や馬庭先輩って…。
私が入学してからの恋事情を知られてる!?
はぁ…。
気まずい…。
どんな顔して会えばいーんだろ。
「やよちゃんもモテまくりじゃ~ん。」
由美はなんだかウキウキだし。。。
こっちはなんかへこむヨー…。
帰りの時間になっても浜田先輩はこなかった。
久しぶりに綾乃さんと2人で帰った。
その夜鳴った電話に出ると浜田先輩だった。
「こ…こんばんは!」
「弥生ちゃん、元気?」
「元気です…。」
「この前のはさぁ、もー気にしんで。弥生ちゃんさえよかったら友達に戻ろ。このまま電話できんくなるのヤダし。」
「イヤじゃないですけど…私は馬庭先輩のコトが好きだし…知ってると思いますけど。」
「うん、知ってる。すげーヤキモチやくけど。もー俺の気持ち伝えたから、はっきりゆってくけど。」
「…はっきりいーすぎです。」
「俺はまだあきらめた訳じゃないから。」
私はこの時きっぱりと断るべきだった。
私を好きな先輩に甘えてる自分に気付かず、先輩の気持ちによりかかっていた。
その時の私は全くそんなコトを感じなくて、電話も今までどおり続けていた。