青春の1ページ


慎爾の墓は

僕たちの家から

電車を6駅乗り継ぐ

泉蘭駅にあった。

そこから徒歩15分ぐらいのところに

慎爾はねむっている。

白色のコートを羽織る綾女ちゃんの姿が

綺麗だった。

泉蘭駅に着くと

そこは真っ白な冬景色。

辺り一面銀色世界だった。

「わぁ、綺麗だね。」

「寒くない?綾女ちゃん。」

「大丈夫。

新一くんの手があったかいから。」

そうやって

僕をあっためてくれる

君が大好きだ。



墓地も銀色世界だった。

慎爾の墓にも

白い雪がふりつもっていた。


ずっと来たかったけど

来れなかった。

だって

慎爾は僕の恋敵だったから。

でも、心の中では

ずっと後悔していた。

唯一の友達で

兄弟で

家族で

そんな慎爾を僕は

自分の恋のために

勝手に切り捨てたことを。

心の奥では

慎爾は僕の大切な奴だった。

綾女ちゃんが

慎爾の墓の雪を

サッと落とした。

「慎爾くん。

良かったね。

やっと新一くんが来てくれたね。」

そういって慎爾の墓に微笑みかける綾女ちゃん

「きっとずっと待ってたんだよ。

慎爾くんは新一くんのこと。

来てくれて嬉しいと思うよ。」


僕は思わず綾女ちゃんを後ろから







抱きしめた。


「新一くん?」

「綾女ちゃんがいなかったら

僕は一生ここには来れなかった。

慎爾は綾女ちゃんに1番感謝してると思う。」

こんなにも優しくて

こんなにも温かくて

こんなにも綺麗な

僕の大切な宝物。

ここは僕たちの原点だ。

ロマンティックではないかもしれないけど

慎爾。いいかな。

慎爾も僕たちのこと

許してくれるかな?


ポケットから小さな白い箱を取り出す。

もちろん綾女ちゃんからは

見えないように....

「綾女ちゃん。」

「んっ?何?」

抱きしめていた華奢な綾女ちゃんから

腕をゆっくりとほどく。

「僕、今日言いたいことがあったんだ。

この場所で....

慎爾が見てくれているこの場所で。」

「うん。」

綾女ちゃんが待っててくれている。

僕は冷たい冬の空気を

一気に吸い込んで

深呼吸をした。

大丈夫。

そんな冷たい空気も

今はなぜか温かいんだ。



「僕と

























結婚してください。」















「綾女ちゃんが大好きだから。

誰よりも幸せにするよ。

綾女ちゃんの為に

僕の人生を捧げます。」






綾女ちゃんが目を丸くした。

でも、綾女ちゃんはすぐに目を細めて....










「待ってたよ。その言葉....

私もあなたに全てを捧げます。」





そう言って君は僕の胸に





飛び込んできたんだ。





寒い冬の中

僕たちは幸せを誓った。