暖房の効いた暖かい部屋で

私は新一くんと向かい合って

温かいシチューを食べる。

「美味しい....あったまるね。

新一くん、料理の腕上げたね。」

「よかった。

綾女ちゃんの喜ぶ笑顔が見れて。」

恥ずかしいことも

さらっと言える

あなたの性格は

高校の時から変わってないね。


「綾女ちゃん。」

「んっ?」

「明日、休みだよね?」

「うん。新一くんもでしょ?」

「明日、何の日かわかってる?」

「....うん。」

「お墓参り一緒に行けないかな?」

「もちろん。一緒に行こ。」

そう。

明日は慎爾くんの命日だ。

2月14日。


「よかった。

一緒に行ってくれるって言われて

ホッとした。」

「行くに決まってんじゃん。

私、新一くんの行く場所

全部ついていくよ。」

「嬉しいこと言ってくれるね

綾女ちゃんは」

「本気だよ。」

新一くんの行く場所なら

どこへだって

ついていくよ。

「じゃあ、明日、楽しみにしてる。」

「うん。」

そういって

温かい食事を終えた。