「ねぇ、薫。

今、何考えてる?」

ウェディングドレスに

身を包んだ

すっげー綺麗な詩織に

そう聞かれた。

「んっ?

詩織と出逢ったときのこと思い出してた。

詩織は?」

「ふふ。

私は薫に期待していいよって言われた時のことを思い出してた。」

「恥ずかしいこと、思い出すなよ。」

「なんで?

私、あの時世界で1番幸せだって

思ったのに?」

私の幸せな思い出

勝手に恥ずかしい思い出に書き換えないで。

そういって頬を膨らます詩織が

誰よりも愛しくて

誰よりも幸せにしたいって思った。

「これからはもっともっと

幸せな思い出作ろうぜ。詩織。」

俺は詩織にそう笑いかける。

「うん。」

23歳の6月12日。

俺は咲田詩織になってくれた

詩織と結婚式を挙げた。

綾女は都合が悪くて来れなかったけど

水崎は俺らを祝ってくれた。

祝辞は篤人が読んでくれた。

たくさんの友達が俺らを祝ってくれた。

今日のことを俺は絶対一生忘れない。

そして....

これからは....

大好きな詩織と一緒に

未来へ歩いていく。