「薫?」

「ごめんな。詩織。

俺、詩織と友達でいたいって

そう思うばかりで

本当の気持ちに嘘ついてた。」

突然の出来事に

ただ戸惑う私。

でも、凄くあったかくて

さっきまでの冷たさなんて

嘘みたいで....

薫の腕の中は

凄く居心地が良くて

でも、とってもドキドキする。

「綾女に言われたんだ。

薫くん、すごくいい顔してるねって

詩織のこと好きなんだねって

詩織はいつだって

人のために頑張ろうとするけど

誰よりも弱くて

誰よりも優しくて

誰よりも可愛い子だから

よろしくねって。」

「綾女が?」

綾女はちゃんと私のこと

見てくれてたんだね。

それなのに私は

綾女にひがんで

やっぱり私の親友だ。綾女は

ふいに薫の抱きしめる力が

強くなる。

「綾女を庇う気なんて

今、思えばなかった。

詩織が綾女とちゃんとわかりあってほしいって
ただそれだけだった。

でも、詩織がそのことで傷ついているなんて

わからなかった、わかれなかった。

本当にごめんな。

でも、俺が好きなのは















児玉詩織

ただ一人だ。」






優しくて深い愛の言葉が

私を包んでくれた。

私は途切れ途切れに聞いていた。

「綾女....のことは....?

まだ好き....なんじゃないの?」

「バカだな。

そんなこと気にしてたんだ。」

そういって私の頭を軽く撫でた。

「確かに綾女が好きだった。

でも、詩織と接するうちに

綾女より大事なものを見つけたから。

俺は今、すっげー幸せだぜ。」

「薫....」

薫の言葉1つ1つが

私の心の中に響く。


「薫、私も好きだよ。

薫のこと

ずっとずっと大好き。」

私も薫をギュッと抱きしめ返す。


「詩織、これからはずっと一緒だからな。」


薫はこの約束を果たしてくれたの。



だって....



「薫ー詩織ーおめでとう!」


私は世界で1番幸せな

純白のドレスをきた

花嫁になったんだから。