桜がふりそそぐ

春の陽射しが暖かい。

学校の校門をくぐると

クラス表を見ている生徒で

ごった返していた。

「はよ。薫。」

名前を呼ばれてふりかえると

親友の涼宮篤人(すずみやあつと)だった。

「篤人。おはよ。

お前、何組だった?」

「俺?

俺、D組。」

「そっか。

俺は?」

「あっ、見てない。」

「そういうと思った。」

「ごめんごめん。

でも、Dではなかったと思うぜ。

なんなら見てきてやろうか?」

「いや、いいよ。

自分で見てくる。」

そう言い残して

俺はそのごった返した生徒の波に入っていく。