「行ってきます。」

家のドアを開けて外に出る。

朝の太陽が暖かく

春がやって来たと

強く感じる。



私は今日から高校3年生。

もちろん…彼も…

「おはよう、綾女ちゃん。」

大好きな彼の声に

笑顔で振り向く。

「おはよう、新一くん。」


彼と並んで歩く登下校。

この日々が私の幸せを紡ぐ。

「春休みは楽しかったな。」

「うん。

綾女ちゃんといっぱい遊べて

幸せだった。」

「またそんなこと言って」

「本当に。

綾女ちゃんは

僕がどれだけ綾女ちゃんが好きか

わかってないみたいだね。」

新一くんはイタズラっぽく笑って…























私の唇にキスをした…。











「!!」

一瞬で顔が真っ赤になる。

「不意打ち成功。」

そういって新一くんは笑う。

絶対、私の方が新一くんのこと、好きだ。

だって新一くんはこういうことを

さらっとするから。

手慣れてる。

私以外に

昔、女の子がいたんだって

よくわかる。

なんだか悔しいけど

今、隣にいるのは

わたしだから…

絶対よそ見なんてさせないからね。

「新一くん。」

「んっ?」
















彼の隙をついて…







「私の方が好きだもんね。」

そういって…

次は私から…

彼の唇に…








唇を重ねて…






新一くんは少し顔を赤らめて

「僕たち朝からバカップルだね。」

そう言った。









新しく始まったそんな日々に

幸せを感じる今日この頃。









「行こっか。」

「うん!」

差し出された彼の大きくて温かい手を

ぎゅっと握って

私は



高校生最後の1年を迎えます。