今日はバレンタインデー。
慎爾が死んで1年。
つまり慎爾の命日。
慎爾はあの日
綾女ちゃんに告白されたらしい。
うらやましいよ。
慎爾は…
慎爾には婚約者がいた。
美風の姉の美影さん。
水崎家と白石家は
長年からつづく
医者の家庭で
今までずっと
関係を保ってきた
僕の両親も
政略結婚で
父は水崎家の人間
母は白石家の人間
本当は慎爾が美影さんと結婚すれば
僕が美風を傷つけることなんてなかった。
まぁ、なんでもかんでも
慎爾のせいにはできないけど
しかも二人はもともと愛し合っていた
わけではなくて
美影さんにも好きな人がいたらしいから
慎爾が死んだあと
すぐにその跡取りの重みは
僕にやって来た。
結局
僕も美風と婚約破棄したから
1つ下の妹の雫が
白石家から婿をもらって
事態は終息した。
雫には迷惑をかけてしまった。
「雫、ごめんな。」
そう謝ると
雫はにっこり笑って
「いいよ。
好きな人がいるのに
婚約なんて嫌だもんね。
新一兄の判断は正しいよ。」
実に出来の良い妹だ。
「ありがとう。」
僕もそういって
慎爾の分までお礼を言った。

