あっという間に放課後になった。

私の心臓は

ドキドキが最高潮になる。

「新一くん…」

とうとう彼に声をかけた。

「どうかした?綾女ちゃん。」

あのときの…

慎爾くんの声と重なる。

でも、もう辛くないよ。

だって

もうこの声は

新一くんの声だから。

「はっ話したいことがあるの。」

今の私は顔が真っ赤だろうな。

「うん。いいよ。」

彼がゆっくり立ち上がる。

「じゃあ、あの場所に行こっか。」

彼がにっこりと笑う。

あの場所…

「うん!」

私は彼の少し後ろから

彼を追いかけた。