黄緑色の箱をじっと見る。
これを届けるためだけに
俺のところまで来てくれた
俺の元カノ。
本当に期待させんなよ。
俺は1つ嘘をついた。
好きだった なんて
大好きだった なんて
嘘だ。
今だって綾女が一番好きだ。
過去形なんかじゃない。
だから…
もう少しだけをお前を思っていいか?
俺だってお前と過ごした3ヶ月は
俺の中で一生消えない宝物だよ。
俺は黄緑色の箱を丁寧に開けた。
入っていたのはトリュフチョコ。
1つつまんで口に運ぶ。
柔らかい食感とトリュフパウダーの苦味が
美味しくて…
「うまっ。」
また涙が溢れ出す。
大好きな子からもらった
チョコレートは
美味しくて
甘かったけれど
切ないぐらい
ーーーーーー涙の味がした。

