今日は2月14日バレンタインデー。

そう。

慎爾くんに告白してから

1年がたった。

季節の流れは早いもの。

「おはよう、綾女!」

詩織の明るい声がする。

「おはよう、詩織。」

「ねぇ、今日持ってきた?

チョコ。」

私はゆっくり頷いた。

「がんばってよ。

大丈夫。

もしもダメでも

私があいつをぶん殴ってあげるから。」

詩織の言葉に友情を感じた。

「はい。」

詩織にピンク色の箱を取り出す。

「えっ?」

「友チョコだよ。

詩織がいなかったら

私、ここまでこれなかったから

ありがとう。」

そういって詩織にわらいかける。

「…綾女…」

詩織の瞳が潤んだ。

「ありがと…

綾女、忘れてなかったんだね。」

「忘れるわけないじゃない。

毎年恒例行事なのに。」

このバレンタインデーの日は

詩織と友チョコを交換し合うのが

私たちの恒例行事。

今年もたくさんの友情をあなたに…

「じゃあ、私も…」

詩織からチョコを受けとる。

「ありがと。」

朝から優しい気分になった。