薫くんに背中をおされるようにして
彼と別れて1ヶ月がたとうとしているのに
私は新一くんに
何も言い出せなかった。
彼と普通に話せるようにはなったけれど
告白とかそんなことはできなくて…
そんな少し歯がゆい日々を送っていた。
「なんで咲田くんと別れたの?
もったいない。」
毎日のように詩織に言われても
曖昧に笑ってその場を濁していた。
毎日のように
水崎くんは人に囲まれていて
私がようなく近づける状況じゃなくて
なんだか私たちの間に
見えない
踏み出せない壁があるみたいで
苦しい。
あんなに私たちの距離は近かったのに
私たちはこんなに遠くなってしまった。
そんなときだった。
水崎くんの正体に
皆が噂をたてはじめたのは…