「綾女のあんな嬉しいそうな顔はじめてみた」

なんであんなことを口にしていたんだろう。

あんなことを言ってしまえば

綾女が本当の気持ちに

気づいてしまうかもしれないのに…

この3ヶ月。

俺はもっと綾女を好きになった。

可愛くて優しくて

あどけない美しい笑顔が

俺を幸せにしてくれた。

でも

綾女は時々うわの空になるときがある。

俺が笑うだけで

何度も泣きそうな顔をする。

それは綾女が

俺と水崎慎爾を重ねているという

何よりの証拠だった。

綾女といると

楽しい。

嬉しい。

温かい。

愛しい。

大好き。


でも…







苦しい…




両想いのはずなのに

俺が片想いしているみたいな

変な錯覚におそわれる時がある。



だから…

君が本当のことを言ってくれるなら

俺は君の言葉を受け入れるよ。

俺じゃない。

水崎慎爾が好きだっていってくれよ。

言ってくれれば

俺は

君の幸せだけを祈れるのに…

綾女は俺が傷つくと思ってんだろうな。

バカだな。

お前が俺を見ていない時点で

俺はとっくに傷ついてんのに

今さら傷つくことなんてない。

綾女の一言で

偽りが終わるんだから

綾女の本物の愛を見せてくれよ。

綾女、好きだ。

綾女と別れたくなんてないけど

偽りの恋人でいるくらいなら

綾女の本当の笑顔が見れるなら

俺はお前のために





友達でいてやるよ。