やってきたのは屋上。
君が僕の存在に気づいてくれた場所。
「綾女ちゃん…」
「5時間目のことでしょ?」
綾女ちゃんはなんの抑揚もなく
僕の意表をついてくる。
「5時間目は理央といたの。」
やっぱりかぁ。
なにも言えなくなって黙り混む。
「理央に抱きしめられたとき
慎爾くんを思い出した。」
ぼそっと彼女の呟いた言葉が
僕に火をつけたのかもしれない。
「皆藤が綾女ちゃんを好きなんて
誰から見たってわかるよ。」
「えっ?」
「だって、綾女ちゃんは魅力的だよ。」
外見も内面も
君は美しい。
そんな彼女に愛された
慎爾はどれだけ幸せだっただろうか。
慎爾がうらやましい。
でも、もう慎爾はいない。
慎爾、
君は彼女守れて幸せだった?
その時、彼女は言ったのだ。
僕をまた期待させる言葉を
君はずるい人間だ。
でも、誰よりも愛しい。
だから何度も君を追いかけたくなる。
「私、新一くんに会った時のこと知りたい。」

