綾女ちゃんが5時間目の授業にいなかった。

そして、皆藤理央もいなかった。

なにかある。

そう思ったけど

授業を出ていくわけにもいかず

授業が終わって

帰ってきた綾女ちゃんの瞳は潤んでいた。

放課後

「綾女ちゃん…」

綾女ちゃんの華奢な肩が震えた。

「…慎爾…くん」

「話があるんだ。」

断られるかな

そんな予感がしたのに

君は僕を期待させる。

綾女ちゃんが頷いた。

それはいいってことか?

さらに重ねるように

綾女ちゃんは

小さな声で

「…わかった…」

といった。