ビターチョコレート

「ひ、ひ、陽太さん!!」


私は我慢できなくなり、うつむきながら言った。



「は、早く帰りましょう!」



「え?なんで?」



「な、な、なんでって…。少し寒いですし、陽太さんも忙しいだろうし」


陽太さんはふーんっと言いながら歩き出す。



ときどき私が道を教えながら、着々と私の家に向かっている。


そして、とうとう私の家についた。


私はパッと手を離して言った。



「ありがとうございます!!」


陽太さんはぽけ〜っとした顔で私の家を見つめる。



ん?なんか、変なところあるのかな?


「あんた……お嬢様だったんだな」



陽太さんは独り言のようにつぶやいた。



私は少し考えながら答えた。


「お嬢様……と言われればそんな気もしますけど、別に普通ですよ」


「いや、普通じゃない。親、何やってるの?」

私は聞かれたことに素直に答えた。


「父が会社の社長で、母が弁護士です」