ビターチョコレート

私は勢いに任せて、陽太さんの服の裾を引っ張って言った。


「待って!!!」


陽太さんは、びっくりした顔をしてこっちを向く。


あぁ、私。


このいっつも無表情な人の表情を変えれたんだ。


なんかそれだけでドキドキしちゃう。


表情を変えることができたなら…。



気持ちだって変えてみせるんだから!!


私は涙を目にためながらしっかりと上を向いて言った。


「陽太さん。私は確かにあなたのことを全然知りませんし、好きな理由だってわかりません!!」


私は溢れそうになる涙を、ぐっと堪えて続ける。


「私は確かに陽太さんの顔が大好きです!だってモロタイプなんですもん!!仕方ないです!!!」



今度は声が震える。

どうしよう。

私、今まで他人にこんなにはっきりと自分の意思を、想いに任せてぶちまけたことあったっけ??