少し肌寒い昼下がり。


昼休みに学校を抜け出し、近くのカフェに友達の利奈(リナ)とこっそり入る。



もちろん。



お昼ご飯を食べにここに来たわけじゃない。



私は奥のイスに座っている黒髪の男の人を見て、ため息をもらしながら言った。



「今日もカッコいい…」


私には、ちゃんとお目当てがいる。


つい最近、このカフェにたまたまランチを食べに来て見つけた人。


もちろん、向こうは私のことなんて知りもしない。


私は毎日、ここに名前も知らない彼を見にくる。


向かいに座っていた利奈が言った。



「真緒、いつまで見つめてる気?今日は告白するんでしょう?」



そう!!


今日で見つめるだけの恋は終わりにするんだ!!