この言葉を毎度思い出しては落ち着くまでホットミルクを飲んで体を暖めてからもう一度練習する。
そうしたら少しだけ、上達したような気がするからだ。
実際、上達してるかどうかは定かではないけど…。
それでも自信を持つことが一番らしい。
「~…♪」
「天ー?今何時だと思ってるの?練習は良いけどもう寝なさい」
「はーい…」
こんな風にお母さんに怒られるのも少なくない。
それだけ練習してるって事なんだけどさ。
…明日もまた、桐谷くんと練習かぁ。
ここ最近、桐谷くんと練習してると幸せだなって思う。
告白なんて出来ないけど放課後二人だけで一緒に居れるなんて、それだけで嬉しい。
生きててよかった、って
同じクラスでよかった、って
桐谷くんが一番歌が上手くてよかった、って
そんな風に思えるから。
都合の良い話だけどね。

