秘密の特訓



文化祭まであと三日。

そんな時に事件が起こってしまった。

私だけに舞い降りた事件。

「充くんってさ、好きな子…とか居るの…?」

「俺?居るけど。去年からソイツん事好きだし」

「そ、そっか…」

「ああ」


こんな会話を聞いてしまったのだ。

去年から好きなんだ。

私なんかが告白したら振られるに決まってる。

それでも、告白する。
もう決めたことだから。






…私の頭の中はその事でいっぱいでクラスの皆と練習してる時も、今までより失敗してしまった。

酷い失敗だった。

出だしが早かったり裏声が出たりテンポがズレたり…と。

充は深い溜め息を吐いて、私を見た。
…それは睨んでいたのかもしれない。