金が無いわりに、おやつがわりにラーメン屋に寄らされる今日。
せっかくの可愛いホワイトのフリル服は、豚骨の汁を浴びる事となった。

「もう伸びてるじゃん」
食べ終えた彼は毎回、私の器を見ながら笑う。

食べにくいし、汁が飛ぶから遅いんだよ!!
そう怒りたい所で、彼の手は私の器に向けられる。

「また、食えないんだろ。ほら、貨しな」
「うん、ありがとう」

彼が私の食べ残しを食べ尽くす姿は好き。男気を感じる。
だから最初は見とれていたが、今は視線が違った。

彼の食べる音を聞きながら、私は一人客の男を見続けていた。

茶髪で黒のロンTを来た彼は上にあるテレビを眺めながら、片手にオニギリを持ち綺麗に食べていた。
その隣は中高年の叔父さんで、汁が飛んでも気にせず口に葱が付いたままだった。
すると、汚い食べ方をしていた叔父さんと目が合ってしまった。

「次どこ行く?」
私はタカシを振り向き見ると、彼はもう食べ終えていた。

「…どーすっかな~」
この言葉は毎回、アレを意味する。