独りになりたくなくて、

真鍋さんの誘いを受けた。


食事中は、

私の暗い事にはあえて触れてこなかった。

それが救いだった。

そうじゃなかったら、

たぶん私は店の中にもかかわらず、

泣きじゃくっていたかもしれない。



「今夜はオレのおごり」

「でも・・・」


「レントゲン技師の方が、給料良いしね?」

その言葉に、思わず笑みがこぼれた。


「やっと笑ったな」

「・・・」


「赤城さんは、笑顔が一番いいね」

「すみません、気を遣わせて」



「オレ先輩だし?

気にするなって・・・」


「ありがとうございます」


少しずつ、元気が出てきた気がした。