私、看護助手ですけど何か?

そう言ったのは同期の看護助手。

岩田みちる(22)。

私より一つ上で、

頼りになるお姉ちゃん的存在。


「…うん、そうみたい」


私は笑ってごまかす。



「気がないなら、ちゃんと断らないとダメだよ?」

みちるに言われ、頷くが、

どう断ればいいのか、

分からないでいた。

…だって、同じ職場で、断ると、

後がぎくしゃくしそうで・・・


私はこの職場が好きだから、

ずっと続けていきたいと思ってるし・・・


モヤモヤした気持ちのまま、

午後は、手術室の片付けの手伝い。

洗濯物を回していると、一人の医師が入ってきた。


「お疲れ様です」

「…お疲れ」