音無高校。
男女共学、3年前に創られた新設学校。
校舎はきれいで駅から徒歩10分。
いい学校だと思われるかもしれないけどこの学校は重大な問題を抱えている。

それは、
生徒の9割を不良が占めているといくことだ。


そんな高校に通う私、
水無月 夕。17歳。
いたって普通の女子高生…



ではなく、


「おいっ!!校門前でたまるな!!」
「ぅわっ!!み、水無月……!」

鬼会長と恐れられるここの生徒会長。

「何度も言わせるな!!ここはお前らの家ではない!!」
「うるせーよ!!どこでたまろうが俺らの勝手じゃねぇか!!っだいたい、女がでしゃばってくんじゃねーよ!!」
そう言ってたまっていた男子生徒の1人が拳を振り上げた。
私に向かってくる拳を右手で受け止める。

「っ!!」
力を加えると男子生徒は痛みに顔を歪めた。
「校内での暴力行為はやめろと……

言っているだろーがっ!!」

相手の腕を掴みなおし、そのまま背負い投げをして投げ飛ばした。

「さっさと教室に戻れっ」

一喝すると、悔しそうな声をもらして男子生徒達は戻って行った。

「ったく…」

本当にどうしようもないな…
何回私はアイツらを投げ飛ばせばいいんだ…。

「か、会長!!お疲れ様ですっ…」
「おう。」

生徒会の奴らがタオルを渡してくれる。
「って、お前らは私のマネージャーか!!
それに、仕事をしてるのは私だけじゃないだろ?」
「そ、そうですけど…
やっぱり、会長が一番働いてますから…」

会長が私になってから生徒会の仕事はだいぶ増えた。
けど、文句を言わない生徒会メンバー達は本当に有能だと思う。
「お前らも充分働いてくれているよ」
私はタオルを受け取り、汗をふいた

「ありがとな。じゃ、遅刻しないように」
そう言って校舎の中に入った。

校舎の中に入るとJポップや生徒の声が響き渡っていた。
普通の学校と比べるとひどいけど、

………まぁ、だいぶマシになったな、うん。


私が入学した頃、この学校の荒れようは今とは比べられないほどだった。
校門の前にたまる生徒、校庭に落ちているゴミ、廊下で化粧をする女子。
今では減少傾向にある。


会長になって結果を出している私は教師からの信頼はあつい…が、
廊下を歩けば、

「出たよ……鬼会長……!」

と言われ、生徒達には目の敵とされている。