「なぁ、東佐間。お前って、俺のこと嫌いなふりしといて好きだろ?」

はぁ?

「神って、こんな馬鹿女なんか好きになる趣味だっけ?俺は、東佐間なんて無理だわ」

ば、馬鹿女!?

「お前、こないだ『東佐間みたいな女が好き』って言ってたじゃん」

「おまっ!?こいつの前でなにっ……!?……あー、もういいや!!俺もお前のことが好きだ」

だーかーらー!!鳥河神も豪もなに言ってんの……!!

「……はっ!!ゆ、夢!?」

━━━…・

「おはよございます、お嬢様」

「おはよー……ふぁ~……」

「お嬢様、寝不足でございますか?」

「うーん……寝不足っていうかー、変な夢を見てさー……ほんと、いい迷惑よ……今日の朝ご
はんはなに?」

「今日はオムレツにサラダ、それにコーンスープでございます、お嬢様」

いつも私たちはこんな会話をしてる。

「ごちそうさま、美味しかったー。さてっ、着替えよーっと」

私が部屋に行こうとしたら、

いきなり手を掴まれた。

「なに……?」

山田は私にどんどん顔を近づけてきて、

私の口元をペロッと舐めた。

「お嬢様、口元にケチャップがついておりました」

「っ……!!///」

「お嬢様?」

「き、着替えてくる!!///」

なななななんなの!?

山田ってああいうキャラだっけ?

その後、私は学校に向かう車内では気まずさのあまり下を向いていて、

珍しく車酔いをしてしまった。