「お嬢様、料理の用意ができました」
「はーい、今いく」
私は読んでいた本にしおりをはさみ、リビングに向かった。
「わぁー、美味しそう!!」
「はい、今日はお嬢様の大好きな料理を揃えました」
山田は本当に優しい。
私が悩んでたりしたら、私が好きな料理を出してくれる。
山田は私が5歳のときから私の世話してくれていた。
私が5歳のとき。
周りには大人の人がたくさんいて、お父様は仕事が忙しくて、全然私の相手をしてくれなかっ
た。
そんなとき私の前に現れたのは、
当時10歳の山田だった。
私に「お嬢様、今日からお嬢様のお世話させていただく山田です」といい、
可愛い笑顔で私に手を差しのべてくれた。
それから11年、山田は私のことをお父様より分かってる。
辛いときに頼りにしたのも山田。
悩みを聞いてくれたのも山田。
愚痴を聞いてくれたのも山田だった。
私にとって山田はお兄ちゃんみたいな感じかな……?
