私、東佐間奈々子(とうざまななこ)は大手企業、

東佐間グループの社長東佐間義太郎(ぎたろう)の娘だ。

私は昔から普通の生活に憧れてた。

欲しいと言ったものは全て手に入り、

なに不自由なく中学卒業まで過ごしていた。

でも、高校からは親の助けなしで暮らしたいと私は言い、

今は親のもとを離れて執事の山田と二人で暮らしている。

中学は超難関の私立の学校に通っていた。

そこはエスカレーター式だったため、

高校はそのままの学校でもよかったが、

私はそれが嫌だったため高校は公立の偏差値がまあまあの普通の高校に入学した。

前の学校と比べそこは全然違い、なにも縛られずにとにかく自由だった。

友達作りには少々苦戦したが、今はクラスの子とは結構仲は良い方だと私は思う。

そして、同じクラスの鳥河豪(とりかわごう)と鳥河神(しん)という男子は

鳥河グループという東佐間グループのライバル企業の息子がいる。

偶然にも私と同じ環境で暮らす人が二人もいた。

鳥河は4人兄弟の三男と四男で、

兄弟がいるところは長男が父の跡をついで、

次男がその会社で働いたりし、

余った兄弟は自由らしい、という話を聞いたことがある。

この二人はその自由にできる人物。

この二人は一卵性の双子で、本当に似すぎてて困るぐらい似てる。

そして、二人ともチャラチャラしてて、ウザい。

こないだなんか「今までに付き合った彼女の数」とか言って競ってたし。

別に敵同士だからというわけではないけど、

チャラい人はあんまり好きじゃない。

「お嬢様、着きました」

「ありがとう。先に帰ってるね、山田」

「分かりました」

私が住んでる家は家賃50万円の3LDKのマンションの最上階。

お父様ったら、普通のマンションに住みたいって言ったのに、

「何を言っておる!!東佐間グループの娘を安い庶民などが住むマンションに住ませるなんて!!」

とか言って結局これだよ。

「はぁ……」

「どうしたのですか、お嬢様?」

「うわっ!!山田!!いつからそこに!?」

「今さっきです。お嬢様、家に入らないのでどうなさりました?」

「いや、別に……特に何もない……」

「そうですか。お嬢様、中に入りましょう」

「うん……そうだな……」

はぁ、あまり考えすぎるのもよくないか……。