ラスト・エンジェル

予約の時間が迫っていた。

しおりをしおりが好きだったシーツにくるんで車に乗り込む。しおりはまさみに抱っこされていた。

霊園に着くと受付を済ませ、別れの時間が与えられる。

…しおりのにおいが好きだった。

しおりの羽の付いた服、白地に輝く白の刺繍が入った木綿のハンドタオル…どれもそばに残して置きたかったけど、しおりに持って行かせる事にした。

しおりは天使なんだと、すぐにわかるように…。
そして、何よりしおりはタオルがとても好きだったから。

しおりを最後に見送るとき、しおりは天使の羽のついた服を着たままにして、お気に入りのタオルをたたんで枕にしてあげた。

でっかい焼き芋といつもおやつに食べていたクッキーとジャーキーをそばに置いた。