透明な君



手持ち無沙汰な右手で意味もなく枕を撫でた。


すると、生乾きの涙の後。



今日の夢を思い出した。




サツキの夢。

顔…声…視線…。



遠い存在になったキミ。




ああ、何言ってんだろ、

サツキはちゃんと答えてくれてたじゃないか…。


サツキは全身全霊で
僕に伝えてくれたじゃないか。


白いシーツに…また
円ができた。