透明な君



今何時?
時計に手を伸ばし針の先をみると

もう11時だった。


そろそろ
起きないと。


ベッドから重い体をひきずって、のたのたとリビングに行った。


「おはよう…」


「『おそよう』の間違いじゃないの?」


頬杖をついて
テレビを見ながら
母さんが皮肉った。


「休日くらい、いいじゃない」



「だから起こさなかったでしょう?」


にっこり微笑む母に
停学になったことが言いずらい。


はぁ…。