透明な君



「サツキは…僕のこと、好きじゃなくなったのかな…?」


「ハルくん…っ!私は…私は…っ!」


泣いてる…。
サツキも僕も。


ごめんね…。サツキ
泣かせて。男として恋人として最低だね。僕は。

でも
不安でしょうがなかったんだ…っ!!


サツキがいなくなってからの毎日が不安と後悔と悲しさと苛立ちに押しつぶされそうだったっ。



僕は今…
その重みを軽くしようとしているだけなんだ。
せめて不安だけでも
なくなるようにって。


自分のためにサツキを泣かせている。


好きだったのか
好きなのか。


どちらでもいい。
わかれば不安なんてなくなる。