透明な君


「一緒に高校卒業して
大学入ってたくさん思い出つくって…卒業して
結婚して、温かくて幸せな家庭をつくりたかった。家族を守って生きていきたいと思ってた」


右を向くとサツキの
悲しそうな目と目があった。


「サツキも…僕と同じ気持ちだと思ってた…っ。でも…でもさ…っ」


声が震える…。

花の香りに酔いそう…。

「でもっ…僕だけだったのかな。僕の勝手な未来像だったのかな?」


地面に涙がポツリと落ちた。