透明な君



沈黙のなか風と擦れる花や葉の音だけが聞こえる。


サツキに会ったら
聞きたいことや
言いたいこと、たくさんあったのに


なぜか思い出せないし
今はどうでもいい気がした。


植物以外の生き物…
動物は僕とサツキしかいない。
心臓の音も二つだけ。


夢…
わかってる


これは夢。

だからお願い。
醒めないで。



「サツキ…?」


「なぁに?」



「ずっとサツキと一緒にいたいよ…。
僕のなかではずっと一緒のはずだったんだ。」


「ハルくん…」